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番外:大島@広尾日記
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    以下のFAQは、今後のみなさまの健康のためにお役に立つかもしれないので書く事にする。


    FAQ1:医療費?
    A:全部自費で払ったとすると、この10日間の入院と手術治療費は、約160万
    円。国保負担3割の人なら、52万円(4人部屋にすればここからさらに23万円ほど差し引ける)ほど自己負担。癌保険に入っていれば、半分以上カバー?
    アメリカ人の感想「もっと高いと思った。日本の保険、まだいい」
    (わたしには「アメリカで手術受けますか?」という選択肢まで用意されていたが、「とんでもない!」と考えもしなかった)
    命拾いしたものからすると「安い」。人工透析で辛い人々が腎移植に大金を払おうとすることを、もう安直に批判できない。「(自分は)生きたい」となると、かなりのものが「安い」と感じる。


    FAQ2:これまでの自覚症状?
    A:身近な人々ならお分かりだが、まったくなし。「健康そのもの」。「検査おたく」と自称していたくらい、40歳から毎年欠かさず健診をうけ、データを比較検討できるよう検査機関は毎年同じところにするようにしていた。


    FAQ3:どうして腎癌が発見されたか?
    A:ここ10年の健診の結果で、毎年わずかな「潜血反応」が尿に表れていた。
    6年ほど前から2年ごとエコー検査をうけていたところ、2年前、腎臓に「のう胞」が写った。ここが分かれ道だった。主治医「典型的な『のう胞』らしいから経過を2年ごとに見て行きましょう」。

    「のう胞」も腫瘍のひとつだがこれは良性。悪さをしないので、腎臓をいじって患者を苦しめるよりは経過観察するほうが、生活の質を保つことが出来る、との判断だった。ここで、わたしの後悔「この時点でCTで検査すべきだった」。

    そして2006年晩秋。エコーをとって2年経過していることと、肝臓の数値が
    ちょっと悪いので、「一石二鳥だから、CTで見てみましょう」と主治医。12月に結果を聞きに訪れると「ほぼ間違いなく腎細胞癌ですね」。

    ここで強調しておきたいのは、「ぜひCTで診て欲しい」と患者側がかなり強く頼んだこと。被爆する事とか、1万円くらいかかるとか、それで勧めない医師がいるかもしれないが、選択肢としてはある。


    FAQ4:手術後の生活は?
    「ほとんど健常者と変わらず。ただスペア・タイヤがない状態」。腎臓と副腎は本来2つあるが、それが1つずつになったが、1つでも正常に機能するとのこと。通院、薬の頓服などは予定されていない。術後の初めての外来受診で、すべての結果を踏まえての話があるはず。

    術後7日が経過して、傷口がまだちょっとぬれるとしみるのと、腹筋が咳などでひどく痛いこと、ときどきシクシク痛いのが「後遺症」。


    FAQ5:入院中の世話など。もし一人暮らしの身だったら……?
    実際、女性なら同性の姉妹がいるのがいちばん気兼ねがいらないと思うが、オープンになれる友だちが数人いれば、このくらいの病気での入院なら問題ない。「わたしはひとりっぽっち」という空気になると回復が少し遅れるかもしれないから、この際、友だちに身をまかす。看護師のケアも手厚いので、実際の手伝いはいらない。せいぜい買い物をしてきてもらう程度。


    FAQ6:入院食は?
    わたしは、文句を言う気がしない。命あって食べられているだけで十分。学校給食もおかわりしていた子どもだったし、肝炎のためイランで入院してイスラム病人食を3週間食べた経験があるので、それに比べたら今回の入院食はありがたい食事。ただ、お茶漬けと焼き海苔に随分と助けられた(食があまりすすまなかったので)。
    しかし、あえて注文をつけるとすれば、マヨネーズあえが多いのと、出来合いの漬け物(色鮮やかなもの)はいただけなかった(個人の好みで)。


    FAQ7:どうして癌になった?
    父母姉妹、祖父母に癌はいない。ストレス?「あいつのせいだ!」と言いたい人たちは数人いるが因果関係を証明できない。
    | | 広尾ガンガン日記 | 09:05 | comments(0) | - |
    大島@広尾日記#10
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      26日。
      昨日、松井似のDr.Tが「抜糸、どうします?」とほがらかに登場。傷口がかゆいというわたしに、「もう傷口くっついているってことでしょう。とりますか?」ということで、午後5時ごろに抜糸。

      真っ黒な太い糸が、マンガに描いた魚の骨のように8針分。横真一文字。右利きの人がハラキリちょっと左にずれた感じ。ヘソに近い方が深そうというか、傷口が生っぽい。この「魚の骨状」の傷の上に、千鳥のように飛んでいるひと傷、これが腹腔鏡を入れた跡らしい。ふくよかな「三段バラ」を育てれば、その「段」に埋没しそう。ま、いっか。

      Dr.Hも登場。抜糸後も今のところ問題なさそうなので、次回外来の予約をとり、退院はいつでもOKとなった。組織片などは病理にまわっていて結果はまだ。外来診察の時にはその結果に基づきお話ししましょう、とのこと。「憶測でものを言うのは避けたいので」。そして昨晩決定した。退院は今日26日夜!

      週刊B誌のS君から、たまたま電話。わたしのこれまでを話したら驚いて、彼の60歳になる母君も、昨年末ほとんどわたしと同時期に同じような宣告をされたと話だした。でも癌の部位が「治療法が確立されていない」ところ。未だ検査の結果待ち。この「治療も始まっていない状態」のがん細胞を背負った身体が、本人としてはしんどい。細胞分裂がわあわあ進んで自分の身体を蝕んでいるような……一刻も早くやっつけたいのに、という焦燥感だ。ひとり息子というS君の気持ちも、我が息子の重なって、胸に響く。「こんな時に、今や社会性というよりも人の好奇心を埋めるための、バラバラ殺人事件の取材。やっているのが辛い」。そして休みがとれない、と悲痛な声。

      昨晩は、我が病室が「花園」に。ふたりのMr.Kからの花、そして美女たちからの花とフルーツ。美女たち(S.I嬢、G.A嬢、M.S嬢、F嬢)の話に「花」が咲いた。ああ、この世も捨てがたい。花と女。ありがとう。

      Cynthia Ryrant 作の『The Heavenly Village』を思い出した。
      「あの世」にゆく一歩手前にある村。そこで「足留め」をくらった人々の、それぞれの理由は……。

      この世のみなさま、退院します。これからも「同居」させていただくことになりました。どうぞよろしく。「ゴルフでもジョギングでも(わたしはしない)、温泉(するする!)も問題ありません」とドクターたちのお言葉もいただきました。完全社会復帰、2月1日にします!ジョギング

      The Heavenly Village
      The Heavenly Village
       683円
      作者:Cynthia Rylant

      | | 広尾ガンガン日記 | 11:51 | comments(0) | - |
      大島@広尾日記#8
      0
        24日。術後4日目。
        経過は音楽の好みに表れる?
        手術直後から、イルカ(動物)の声のCD→小鳥と水の音→三線インストロメンタル(複数)→Madeleine Peyrdoux(Careless Love:フランス語なまりの英語のヴォーカル)→OPERA(いろいろ:挫折、まだしっくりのれない)→シャルル・アズナブールここから今朝は一気に、「先祖」返り?Jeff Beck, Doobie Brothersまでいけた(看護師のひとりから「音楽に統一性ないみたい?」とのコメント)雑多な人間です。

        Kidney Cancer Therapies で検索した結果を読む気が初めてしたのは、「ヴォーカル(ヒトの声)」を聞く気がしたのと同時発生的。ヒトの声にはインフォメーションがのってくるから、苦しい時には重いと感じたのか。

        その「ガン情報」書かれていることで気になるのは、possible complications.
        腹腔鏡手術後で「否定」していきたいのは、
        消化器損傷
        血流損傷
        肺の細胞損傷
        出血
        残った腎臓の機能不全
        ヘルニア
        現在わたしが「常食食べている」「平熱ちょっと+」「輸血なし」「普通呼吸」だということから、素人判断すると、以上のリストのほとんどが「否定」できるが。

        今後の生活で、testsとcheckが欠かせないが、それはCT, MRI, Bone scans, Blood testsなどで、どれをするかは主治医が選んでゆくものだろう。

        主治医のDr.HとDr.Tとは、昨日は立ち話だけ。彼らはわたしの来診に来たつもりだったらしいが、その時ちょうどわたしが廊下を歩き回っていたためそういうことに。「いちばん望ましいお姿を見られただけで、今日はもうこれで来た意味がありました。結構なことです」と、そのまま他の階へ行ってしまった……。
        今朝は、看護師が平熱も血圧も測ってくれなかった……。「お食事いかがでしたか?」とも聞いてくれなかった……。

        The Secret Life Of The Lonely DollDoll: The Search For Dare Wright 』は、50年代に人気を博し19冊ほどシリーズで出版された『The Lonely Doll』という写真絵本の作家(写真と文)Dare Wrightの半生をたどったノンフィクション。
        「これ、ロリコンの危ない本じゃないよね?」とか「おしおきの本? つまらない」とか「PCじゃない」とかの反射的な反応が、その絵本シリーズにあり、70、80年代には絶版の憂き目にあっていた。
        ところが、1995年にある有名絵本編集者が、アメリカの識者たちに「21世紀に伝えたい絵本100選」の投票を求めたところ、本書がベスト10に入った。それから、復刊も決まったという曰く付きの絵本。

        Dare Wrightという、たぐいまれな美貌と才能に恵まれた女性写真家が残したのは、ほとんどすべてが「Lonely」なポートレート。そして絵本。それらの不思議な空気がわたしを魅了する。

        今更ながら、M新聞の1月1日のカラーページ、バオバブの並木の写真、記事を昨日見て、「環境保護」の学徒だったことを思い出した。記事を書いたMr.K、 文章にロマンティストの感性が出ますね。わたしに「ムーラムーラ(ゆっくり)」というメッセージ?どうもありがとうございました。

        こういっている一方で、ライヴァル会社のA新聞社のF嬢。速攻でA誌などお届けありがとうございました。ツルリンお菓子も!もうすっかり「いい娘を持った母親」気分。わたしが?
        ……まあ、まだ弱気なのかな。
        世の中のスキャンダル、週刊A誌が最近すごく面白い。ちょっと『噂の眞相』化。熟読。

        ブログをアップしたあと、シャワー、そしてまた読書三昧としよう。傷の痛みが戻らないといいけど。

        The Secret Life Of The Lonely DollDoll: The Search For Dare Wright
        The Secret Life Of The Lonely DollDoll: The Search For Dare Wright

        The Lonely Doll
        The Lonely Doll
        | | 広尾ガンガン日記 | 11:15 | comments(0) | - |
        大島@広尾日記#7
        0
          23日。
          昨日の午前中に、普通より早々と(多分?)3本のチューブを抜く決定をT先生がして下さったおかげで、自由度がぐっとアップ。「元気になりつつある」と実感できて、思い込みの激しいわたしは、さらに元気モード。

          昨日の午後の面会時間、2時半に妹が来ると待ちきれなかったように、一緒に1Fの病院直営の「コンビニ」ヘ「はじめてのお買い物」。

          今、健常者との一番の違いは(腎臓の数の他に)、咳。これが一番きつい。咳をすると激しく痛くて、涙が出てくる。何気ない咳を、ひとは普段かなりしていることに、改めて気がつく。わたしには「何気ない咳」は今、ない。
          思いがけず『Olivia Kidney』で泣いてしまい、ほろりだけではなく、しゃくり上げる嗚咽になったら、辛い辛い。お腹がよじれるほど辛かった。これがきつかったこと第二位。
          くしゃみは三番目にきつい。
          夜中に起きたら、急にしゃっくりが出て、これもちょっときつかった。第四位。
          でもこの程度で、本当にありがたいことです。

          感動した『Olivia Kidney』について。オリビアは最愛の兄を癌で亡くし、以後「ひとりごと」が収まらなくなり、カウンセラーに「治療」される身。だがその「ひとりごと」は、兄の魂と交信しようとする試みだった。兄が「煙のように消えた」ことが信じられず、どこかにいるはずとおしゃべりを続ける現世の妹と、応えようにも「周波数」が違ってその声が届かなかった兄。そのふたりの心が、霊媒者のおばあさんのヒントで、最後にやっと繋がった……。嬉しかったが、魂だけというのが受け入れられず、わたしは悲しくなり、うおんうおん泣いたら、ハラキリ部分(7センチ)が痛くて痛くて。こうして書いていても涙が出て来て、おお危ない危ない。

          こんなしんみりくる内容だけれど、ニューヨークにいかにもありそうな古いアパートを舞台に、そこの住民たちをユーモラスに活写した本書。同時に、姿を血に飢えた海賊やトカゲに変えられたヒトビトまで登場させて、キラキラと魅力的に光るファンタジーの秀作だ。

          今朝からは
          The Secret Life Of The Lonely DollDoll: The Search For Dare Wright
          The Secret Life Of The Lonely DollDoll: The Search For Dare Wright
          をぐいぐい読み出した。
          | | 広尾ガンガン日記 | 09:25 | comments(0) | - |
          大島@広尾日記#6
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            19日午後、無事生還。聞くところによると5時間半に及ぶ手術で、家族友人らを随分待たせてしまったらしい。この日、NYの学校に戻る事になっていた息子は、結果を聞けないまま病院から成田に向かった。

            19日は、朝8時に手術着に着替え、8時半に車いすで3Fの手術室(大小10室ほどあるらしい)前まで家族と行った。日本人化した外人夫は、招き猫のような手のしぐさをしながら「イッテラッシャイ、がんばって」。アメリカンでもあり、最近は『硫黄島からの手紙』に感動を受けたらしい息子は、敬礼で送り出してくれた。手術患者が数珠つなぎに並ぶ廊下。わたしの真後ろは小学1年生くらいの女の子。わたしよりずっと立派にしているようで、わたしも姿勢をただす。

            先日会った麻酔医、ちょいとファンキーな若者があらわれる。手術帽をちょっとはみ出し気味にかぶっているところがファンキー?「おっ!大島さん、ずいぶん見かけが違いますね(やつれてる?おどおどしている?)。こないだお会いした時は、アーティストって感じだったけど」と言われても……。
            この人の腕頼りの硬膜外麻酔注射、嬉しい事にその前に皮膚の麻酔をチクン程度にしてくれてからだったので、「ずしん」と圧力を感じただけだった。また点滴の管についた針は、輸血に備えて普通の「3倍くらい」という説明。かなり恐ろしく太いらしい。「まあ、あとで見て下さい」。

            全麻酔のマスクをしたら、もうあとは……意識不明。あの女の子には「バナナの匂いがいい?メロン?」とガスの選択があったようだったが、わたしには選択肢がなかったし、匂いは思い出せない。

            こうして、つぎに気がついたのが自分の病室のベッドの上。まぶしい。光がすごく目にしみる。妹や夫、Sさんが言っていることは全部聞こえていた。返事はすべて「Moo, momo, Mooo」など牛語の組合わせだけ。腹筋を使いたくなかったし、熱っぽかったから。

            飼っているネコを「子どものように」大事にしているつもりだったが、やはりこういう場面では彼らの出番はなく、目で追うのは人間の息子だった。

            エコノミークラス症候群。手術中の患者がこれになるのを避けたいという医療現場の認識があり、足に圧力をかけるハイソックスをはかされていた。さらにベッドの上では、その足にちょうどマッサージチェアについているふくらはぎマッサージ器のようなものが付けられ、規則的に圧力をふくらはぎにかける。血栓などの予防らしい。

            体から3本管(スパゲッティ)プラス酸素マスク。2日くらいの「スパゲッティ生活」らしい。腸のほうは、朝までにすっきりさせてあるので、これでいいのだろう。こうなってみると、タンがかなり苦しい。タンを吐くのに力がいるし、そうしないと息が苦しいし……。タバコを吸う人は、こう言う時にもっと苦労するらしい。

            摘出したいものが普通より上にいっていたので、通常3時間の手術が2倍近くかかってしまったらしい。癒着をとってそれごと摘出。ただの5時間半を立っていたのではなく、手術という緊張時間をそれだけ長時間過ごすという医師と看護師のpatience、精神力に敬服する。わたしはただのpatient。感謝感謝。

            まる2日、熱のせいで眠り続けのようだった。食欲もほとんどなく、手術中の姿勢のせいか肩がずれているように痛かったり、あまり気分は良くなかった。

            しかし今日、22日。
            グッドタイミングでアメリカの友だちから、国際電話。術後の連絡がいかなかったので、ひどく気をもんだもよう。わたしがHelloと言ったら、息が詰まったようになって、返事が2秒ほどもどってこなかった。

            電話で気分が軽やかになり、少々寝過ぎによるらしい頭痛はするが、早朝より動き出し洗髪(腹筋を使うので、勇気がいる!)。ドライヤーもかけた。洗髪中に先生が来室。わたしの様子を見て、最後の点滴カット、管を全部抜くことを決定。即断。後からきた看護師、少々あわてモード。

            朝食、納豆なんてでちゃって。納豆好きは、ぺろっと食べました。卵焼きだけは、カチンとした焼き方だったので、食欲が出ずに残した。

            そして、健康になった証拠にコーヒーが飲みたくなった。F&Fのフレンチモカ。このタイプとしては美味しく入れられる。

            音楽は、熱のあるときは「イルカの声」CDで十分だったが、今日から三線OKの気分。おはやしが入って、おめでたモード。
            そして、とうとうもっと元気の証拠、このブログ。
            では、ここまでで続きは今度。
            | | 広尾ガンガン日記 | 10:34 | comments(0) | - |
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